この時期に思い返す歌

ようやく東京も春の日差しになってまいりました。
まだまだ、寒い日々が続くところもあると思いますが、皆様の近くの「春」をお感じ頂ける事柄がありましたら、お教えいただけませんでしょうか?
私の母方の実家は、新潟県南魚沼郡津南町というところでございまして、十日町から長野県栄村に向かう、国道117号線に面しているところでございます。
今は、住まう人もなく、ただし、家はそのままに残っています。
ご存知の方も多いとはぞんじますが、日本でも有数の豪雪地帯です。
その地方にも、当然ですが、春はやってきます。まさしく春を感じるのは、「フキノトウ」。田んぼのアゼの雪が解けて、田んぼにはまだまだ雪があるのですが、そのアゼにフキノトウが芽を出します。かわいらしい丸まった首を出してくれます。
嬉々として、つまんだ記憶があります。子供ごころとしては、あの独特の苦みは必ずしも「おいしい」というものではありませんでした。
でもこの歳になりますと、あの独特の苦みのある天ぷらは絶品ですね・・。
これも揚げたてに限りますが・・。軽く塩をふっての、熱々を・・・。
これにはビールかなあ?やっぱり・・。スパークリングのロゼもよいかもですね~~。
と言いつつ、最近の小生と当家の山の神様との会話でございます。
小生が、近所の神社のソメイヨシノとしだれ桜の写真を掲載したのを見て一言。
曰く:フェイスブックとかツイッターに植物の、特に季節の花々の写真を載せるのは、
「年寄りが多いんだって・・・」
大きなお世話だっていうの・・!
世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
よのなかに たえてさくらの なかりせば はるのこころは のどけからまし
古今和歌集 在原業平詠
現代語訳
この世の中に、全く桜というものがなかったなら、春を過ごす人の心はどんなにのどかであることでしょう。
毎年この時期になると、思い返す歌ですね。
心のどかにしませんと、オミクロン株もまたまた首をもたげてくるかも。
皆様
お体ご自愛くださいませ。
文責 興津 秀憲