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フランス パリ在住の植物療法士 うめやかおりさんのブログ「パリと植物-自然と調和する暮らしを求めて-」
フランス在住の植物療法士うめやかおりさんのブログです。

パリと植物Vol.3

 

前回まで簡単な自己紹介と、渡仏に至るまでの経緯をお話しいたしました。お付き合いくださりありがとうございます。

   今回はフランスに来てからの暮らしぶりやフランスという国の様子についてご紹介したいと思います。

 
   フランスに短期留学で渡ったのち、ワーキングホリデー制度を利用しおよそ9ヶ月滞在しました。
初めの2ヶ月は語学学校に通いフランス語を勉強し、フランス国内を旅行したりアルバイトをしたりしました。
フランスを少しずつ知るための良い期間となりました。

 

その後、縁あって兼ねてから友人だったフランス人と結婚。現在本格的にフランスで生活し始めてからおよそ3年が経ちました。
今でこそ特に不便なく、とりわけ快適に生活していますが、慣れるまでやはり大変なことがたくさんありました。
一番苦労したのは気候と食べ物の変化です。冬は特に辛い季節でした。

 

   パリ症候群という言葉があります。パリに憧れて住み始めるも、期待とは程遠い現実に色々な不自由や変化が重なり
心身に不調をきたしてしまう状態を意味します。私もそれに陥ったと言えるかもしれません。
とはいえ期待と落胆によるものではなく、完全に環境の変化に体がついていけなかったのです。
渡仏して体調を崩し常に風邪をひいている状態、そして眠れない。さらにアトピー症状まで。
そんな状態を救ったのはもちろん植物療法です。環境の変化=ストレスがかなり体に負担をかけていたのです。
植物療法に関してはまた改めてお伝えしたいと思います。

 

   現在は植物療法をアドバイスする立場に置かれてみて、長く鬱々とした冬はフランス人にとっても簡単なものではないことを知りました。
冬に皆揃って摂り始めるのがビタミンDのサプリメント。日照時間が極端に少なくなるヨーロッパの冬には欠かせないものなのです。
医師から処方される場合もあります。これを知ってからは私も冬の間のビタミンD補給を行うようにしています。

 


 長い冬が明けてやってくる春、夏はフランス人にとって本当に待ち遠しい季節です。すぐに日が長くなります。
3月の最終日曜日から夏時間へシフトし5月ともなると夜の10時ごろまで明るいんです。
私は初めこの日の長さに体がついて行けず、軽い時差ぼけ状態に陥ったことがあります。
慣れてくると一日が長いような錯覚、なんだか得したような気分になります。
日によって天気は変わりやすいですが、太陽が出て気温が上がり始めると皆こぞって外で日光浴をし始めます。
カラッとした空気と明るい太陽は本当に心地よくて、身体中に浴びたくなり、
緑がきらめく公園で日向ぼっこしたくなる気持ちは本当によくわかります。
なるべく日に焼けたくないという気持ちは何処へやら、今太陽のエネルギーを浴びておかなければという必要性までも感じるのです。
またこの時期は夜(と言ってもまだ明るい)仕事終わりに公園でバゲットとミニトマト、サラミ、ラディッシュ、
そしてワインなどを持ち寄ってふらりとピクニックをよくします。
またアペロといってお酒と軽食を持ち寄っておしゃべりする、なんていうのもこの季節は外で。
私の住むアパートでもご近所さん同士集って外でのアペロを楽しみます。

 


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                             ( セーヌ川岸でのんびり )

 

 5月は祝日の多い月でもあります。この祝日と祝日の間に休みを取り連休にして旅行に出かける人も多数。
今年は祝日の並びもよく、パリから出て休暇を楽しむ人が多かったように感じます。
フランスに住むまでは「フランス人はよく休暇をとる、あまり勤勉ではない。」というイメージを持っていました。
ところが住んでみて、働き始めて感じたことは必ずしも勤勉ではないというネガティブな状況ではなく、
一人一人しっかり休むときは休み働くときは働く、というメリハリのある生き方をしていると感じます。
他の人に遠慮して休暇を取らずストレスばかり溜め込んでいては自分自身にも周りにも良い影響はありません。合理的だと思います。
バカンスでの不在による不具合などは「仕方ない」となります。但し良いことばかりではなく中にはいい加減できちんと機能しないようなところも多々。
日本の物事の迅速さや正確さは素晴らしいですし、フランスでもそのことはよく知られています。
それでもやはり思うことは窮屈に制限し合うのではなく、個々を尊重するからこそお互い寛大な心で助け合って行く。
フランスのそんなところに生きやすさを感じています。

                                                 
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うめやかおり(ガロワーズカオリ)
薬剤師・フランス植物療法士(Phyto-aromatherapeute)

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