日本でもニュースになっていたと聞きましたが、つい先日までフランスは熱波に見舞われ、猛暑が続いておりました。
パリは特に古い建物で室外機のついたエアコンが設置できないところも多く、建物の最上階は特に寝苦しい夜となります。ここ数年は猛暑に襲われることもしばしばあったので、クーラーの売れ行きが好調だそうです。 こちらで見るクーラーのほとんどは、室外機の代わりに太いホースを窓やドアの外に出して使用します。もちろん窓やドアを開けてホースを出しますから、外からの空気が入ってきますのでなかなか効率が悪いんですけれども、ないよりはずっとましです。
メトロや電車、TGV(日本でいう新幹線のようなもの)の中の暑さも普段に比べると耐え難いものでした。 路線によりますがほとんどが空調は付いていません。空調が付いている車両でさえ、十分に温度調節ができなかったそうです。そんな暑さの中、駅では無料で冷えたペットボトルの水が配られました。
日本との違いを感じるのは、やはり湿気のなさ。適度な暑さであればカラッとしていて快適なのですが、こうも気温が上がってくると、肌は乾燥しジリジリと紫外線の刺激を感じます。目を守るためにサングラスは必須。こちらの暑さは汗も出ず体に熱がこもる感じがします。 日が長いため夕方になればなるほど暑くなってきます。その蓄積された暑さのせいで夜の室内はなかなか気温が下がりません。お庭で育てている植物たちは油断するとすぐにカラカラに乾いてしまいます。
こんな暑さが続くときには体の内側のほてりを熱を冷ましてくれるような植物が大活躍。ハイビスカスティーは特に人気があります。私はハイビスカスにネトルやペパーミントを少し混ぜて飲むのが好きです。ペパーミントはスッキリ爽やかな味わいですが胃腸を冷やす心配はありません。 ここに抗酸化物質の豊富なブルーベリーの乾燥果実や滋養強壮によいゴジベリーなんかを加えると、フルーティーで爽やか夏のフィトテラピーに。赤ブドウ葉もブレンドしてもよいですね。
暑いからといって冷たいものを摂りすぎると、内臓が冷えてしまい胃腸の消化吸収機能の低下し夏バテに繋がります。一方ご紹介した植物や、夏の果物、野菜は性質として熱を取ってくれるものですので、急激に内臓を冷やしてしまうことはありません。もちろん極端に摂りすぎてはいけませんけれどね。 植物療法を行うにも、季節とその気候の変化を意識することで、より元気にその季節の良さを楽しむことができます。ぜひ実践していただきたいです。
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うめやかおり(ガロワーズカオリ)
薬剤師・フランス植物療法士(Phyto-aromatherapeute)